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栄華の夢 -Eiga no yume-

 浮世は夢の 夢ならぬ夢

或る日ふと目を覚ましたら
一枚の紙を握ってた
薄っぺらくて貧相な
たった一枚の紙切れを

寝そべったまま太陽に
透かしてみては折りたたみ
紙飛行機を作っては
空に向かって飛ばしてた

たまには広げしわを伸ばし
下書き、落書き、殴り書き
湧き出でる形そのままに
自由気ままに我がままに


と或る所の或る人は
紋の入った化粧木に
ダイヤモンドを散りばめて

教科書通りに描きだす
それは見事で鮮やかな
古典主義的作品を


たった一枚の紙切れに
あなたは何を描くのだろう
くしゃくしゃにして捨てられた
ゴミ箱は誰も覗かない

名画はすなわち名声か

2020/06/26 noteにて公開

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